ぐっすり眠れた感じがない…
いくら寝ても疲れが取れない…
昼間とてつもない睡魔に襲われる…
こんな悩みをお持ちの方、家族やパートナーから「いびき」を指摘されたことはありませんか?
「いびきは病気の危険信号」と言われています。いびきを放置すると、様々な病気を引き起こし、最悪の場合は命に関わることもあります。いびきを軽視してはいけません。
今回の記事では、いびき治療の種類や、各治療法のメリットとデメリット、料金の目安について解説していきます。自分、あるいはパートナーのいびきが気になる方は是非、今回の記事を参考にしてください。
いびきを放置するのは危険!早期治療が必要な理由
睡眠中に何らかの原因で気道(空気の通り道)が塞がれて呼吸がしづらい、あるいは一時停止して酸素不足の状態に陥ります。酸素不足になると、覚醒して呼吸を再開しますが、眠りにつくと、また呼吸停止。これを繰り返すのが「睡眠時無呼吸」の状態です。
睡眠時無呼吸症候群のいびきを放置すると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなります。また、脳卒中や脳梗塞などの脳疾患や、不整脈、心不全や心筋梗塞などの心臓疾患といった命に関わる病気の発症リスクが高まります。
睡眠時無呼吸症候群の初期症状
以下に挙げる症状は「睡眠時無呼吸症候群」の初期症状です。これらの症状がある方は、すぐに医療機関を受診しましょう。
- どれだけ寝ても疲れが取れない
- 十分な睡眠時間を確保しているのに、寝た気がしない
- いびきが大きい
- 昼間に急激な眠気に襲われる
- 睡眠時、無呼吸状態が認められる
参考文献:健康づくりのための睡眠ガイド(2023)
病院で受けられるいびき治療の種類
病院で受けられるいびき治療には2種類あります。すなわち、いびきの根本的な原因を改善させる「根本療法」と、いびきの原因に対処して、症状を和らげる「対症療法」です。
いびきの根本療法として、レーザー治療や外科的治療が挙げられます。これに対し、対症療法として挙げられるのが、マウスピース治療やCPAP療法です。それぞれの治療方法について解説します。
レーザー治療
切除するレーザー治療 | 切除しないレーザー治療 | |
---|---|---|
代表的な治療法 | 口蓋垂軟口蓋形成術(LAUP) | ナイトレーズ パルスサーミア スノアレーズ |
治療法 | 口蓋垂とその周囲にある余分な脂肪をレーザーで切除する治療法 | 口蓋垂にレーザーを照射して、その周辺組織を引き締める治療法 |
痛み | 患部に痛みや出血を伴うことあり | ほとんどなし |
ダウンタイム | 術後約1~2週間 | ほとんどなし |
特徴 | ・1回の施術で済む ・日帰り手術が可能 ・保険適用の可能性あり(睡眠時無呼吸症候群と診断された場合) |
・痛みがほぼない ・ダウンタイムがほぼない ・医療費控除の対象 ・施術が複数回必要 |
口蓋垂軟口蓋形成術(LAUP)
いびきとは、睡眠中に口蓋垂(いわゆる、のどちんこ)やその周辺部分が呼吸で振動することにより発生する振動音や摩擦音を指します。肥満などが原因で口蓋垂周辺が狭くなると、いびきをかきやすくなります。
口蓋垂軟口蓋形成術(LAUP)は口蓋垂周辺にレーザーを当てて脂肪を除去し、空気の通り道を広くする手術です。一度の施術でいびきの根本原因を解決することが期待できます。施術は15~30分で終わり、日帰り手術も可能です。健康保険が適用できるため、比較的安価で済みます。
ただ、レーザーを当てた部分に痛みや出血が伴うことがあります。ダウンタイム(通常の生活に戻るまでの期間)が約1~2週間程度で、喉の違和感が続くことがあり、食事制限も必要です。
ナイトレーズ・パルスサーミア・スノアレーズ
ナイトレーズ・パルスサーミア・スノアレーズもLAUPと同様、口蓋垂周辺にレーザーを当てますが、LAUPとは異なり、レーザーを照射した部分を引き締めることによって、気道を広げる手術です。
これらの治療は、LAUPとは異なり、脂肪を除去するなどの治療ではないため、痛みや出血は伴いません。また、ダウンタイムもほとんどなく、身体への負担が少ないことがメリットです。ただ、保険が適用できないため、高額であり、複数回の施術が必要です。
ナイトレーズは患部の表面に、パルスサーミアは患部表面よりもさらに深層部にレーザーを当てて治療します。スノアレーズは<スリープメディカルクリニック>独自のレーザー治療で、ナイトレーズやパルスサーミアと同じメカニズムの治療法です。
》切らないレーザーいびき治療の料金相場やおすすめクリニックは別ページへ
外科的治療
いびきを治すための外科的治療として、以下の3つが挙げられます。
いずれもいびきの原因である部分を切除して、気道を確保する治療法です。
原因を除去できるため、いびきの根本原因を解決することが期待できます。ただ、術後は口を大きく開けない、強く噛めないなど、長いダウンタイムがあり、喉の違和感も2週間程度続きます。
マウスピース治療
いびきは下顎が小さく後退している、あるいは、上顎が前に出ている(出っ歯)ことにより、発生することもあります。下顎を前に押し出して、上顎と下顎を固定するために用いられるのが、マウスピースです。
マウスピースは顎の形状や歯並びに応じて、歯科医院で作製するものと、市販のものがあります。睡眠時にマウスピースを装着するだけなので、身体への負担が少ないことがメリットです。いびきとともに生じることがある「歯ぎしり」にも有効な方法です。
CPAP療法
CPAP(シーパップ)療法とは、持続陽圧呼吸療法とも呼ばれています。鼻や口にマスクを装着し、持続的に空気を送り込んで、呼吸をサポートする方法です。睡眠時は常に圧力をかけているため、気道が塞がらないようにします。
睡眠時無呼吸症候群の治療法として最も用いられています。個々人によって、かける圧力が異なるため、病院の受診と診察が必要です。CPAP療法を行うことにより、いびきが軽減され、熟睡感が得られ、睡眠の質を向上させることが期待できます。
いびき治療にかかる費用目安
いびき治療をしたいけれど、どれくらいの費用がかかるのか全く想像すらできない…という方向けに、治療費の目安をまとめました。
レーザーによるいびき治療の料金目安
治療法 | 料金目安 |
---|---|
口蓋垂軟口蓋形成術(LAUP) | 約3万円(健康保険3割負担の場合) |
ナイトレーズ | 1回あたり2~10万円(自由診療) |
パルスサーミア | 1回あたり10万円前後(自由診療) |
LAUPの場合、1回の施術のみのため、保険適用されると約3万円の負担で済みます。
ナイトレーズとパルスサーミアは健康保険適用外のため、負担が大きくなります。いずれも複数回の施術が必要で、ナイトレーズは1回あたり2~10万円、パルスサーミアは1回あたり10万円前後です。治療回数やクリニックによって料金が異なるため、事前に確認する必要があります。
マウスピース治療
入手方法 | 料金目安 |
---|---|
市販のもの | 上下顎一体型:1000~4000円 上下顎分離型:800~1万円 |
歯科医院で作成 | 上下顎一体型:1~2万円(健康保険3割負担の場合) 上下顎分離型:15~20万円(自由診療) |
マウスピースには、上下顎一体型(上下セット)と上下顎分離型の2種類があります。市販のものもあり、価格は安いもので1000円から購入可能です。高いもので1万円の商品もあり、5000円以上のものだと、ある程度の耐久性が期待できます。
ただ、市販のものは各個人の顎の形状や歯並びに合ったものではないため、フィット感は期待できず、効果もそれほど期待できないでしょう。マウスピース療法を検討する場合、ご自身の顎の形状に合うものを、歯科医院で作成することがおすすめです。
歯科医院で上下顎一体型を作成する場合、健康保険を適用できるため、約1~2万円(3割負担の場合)です。上下顎分離型では健康保険が適用できず、15~20万円と高額です。
CPAP療法
所有 | 料金目安 |
---|---|
自己所有した場合 | 15~50万円 |
レンタルした場合 | 月額約5000円(保険適用) |
CPAPは「高度管理医療機器」に該当します。すなわち、販売業者から個人に自由に販売することはできません。医師の診察を受けてCPAP療法が必要であると判断された場合にのみ、使われます。
例えば検査結果がCPAP療法の保険適用基準を満たさない方や、海外赴任等で通院が困難な方は、個人所有することもできますが、医師の診療が全く必要ない訳ではありません。主治医の処方下にて、自己管理をするという感じですね。
CPAPは基本的に、医療機関から装置一式をレンタルという形で使用しますが、月1回の診察が必要です。保険適用できるため、1カ月当たり約5000円。ただ、別途毎月の診察代、検査費用や交通費などがかかります。
睡眠時無呼吸症候群の診断があれば保険適用となる場合もある
いびきが悪化し、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、治療方法によっては保険適用となる場合があります。保険適用となる治療法は、口蓋垂軟口蓋形成術(LAUP)、外科手術、上下顎一体型マウスピースとCPAP療法です。
これ以外のレーザー治療(ナイトレーズやパルスサーミア)、市販のマウスピース、上下顎分離型マウスピースやCPAP装置の個人所有については、保険適用外です。ただ、医療費控除の対象となる可能性があります。領収書を保管しておき、確定申告を行いましょう。
根本的にいびきを治したいなら、レーザー治療がおすすめ
今回の記事では、いびき治療のメリット・デメリットについて解説してきました。この中で、最もおすすめしたい治療法は、ナイトレーズやパルスサーミアなどのレーザー治療です。レーザー治療のメリットについて再度見てみましょう。
- 痛みや出血が少ない
- 日帰りで治療が受けられる
- ダウンタイムが短く、日常生活への影響が少ない
マウスピースやCPAP療法は、いびきの根本的な原因を改善する治療ではなく、あくまでいびきを和らげる対症療法です。また、LAUPや外科的治療もナイトレーズなどと同様、根本的な原因を解決するための治療ですが、術後の身体への負担が大きく、万人にはおすすめできません。
レーザー治療の料金が気になる方もいらっしゃるでしょう。また、治療実績が多いクリニックの方が安心して治療を受けられるかもしれません。レーザー治療の料金相場や治療実績があるクリニックを知りたい、という方は、是非こちらのページを参考にしてください。
