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若い女性のいびきの原因は?病院での治療方法や費用について

若い女性のいびきの原因は?病院での治療方法や費用について いびき治療

いびきは気道が狭くなることにより、睡眠中に起こる呼吸音です。男性に多い印象を受けるかもしれませんが、女性でもいびきに悩んでいる方は多いことが分かっています。

いびきは肥満が大きな原因ですが、他にも原因は複数あり、やせ型の若い女性でもいびきをかくことがあります。健康に悪影響を及ぼすこともあり、いびきが重度の場合は病院での治療が必要な場合もあります。

この記事では、若い女性のいびきの原因について解説します。いびきを治療するメリットや、病院での治療方法、費用についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

監修医師
原 聡

藤田保健衛生大学を卒業後、神戸大学耳鼻咽喉科頭頸部外科に入局し、2011年5月に兵庫県神戸市西区で「はら耳鼻咽喉科」を開院。

所属学会:日本耳鼻咽喉科学会、日本喉頭科学会、耳鼻咽喉科臨床学会

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女性の約40%がいびきをかいている

いびきの程度は人によって異なりますが、男性の約57%、女性の約40%がいびきをかいているとされています。女性でもいびきをかいている方は意外に多く、家族やパートナーからいびきを指摘されることで自覚される方が多いです。

また、「フランスベッド株式会社」がいびきについて行ったアンケート調査によると、「自身のいびきに悩んでいるか」という質問に対して、女性の約40.8%が悩みの経験があると回答しており、いびきで悩む女性は決して少なくないことが分かっています。

若い女性のいびきの原因

いびきは肥満や加齢、飲酒などが主な原因です。そのため若い女性でいびきをかく方は相対的に少ないですが、身体的特徴や環境の変化が原因となり、若い女性でもいびきをかくことがあります。

若い女性がいびきをかく原因は以下のようなものがあります。

①:妊娠による体型の変化

女性が妊娠すると、胎児をおなかに宿し、体が出産の準備を始めることで体重が増加します。体重が増加することで、首や顎周りに脂肪がつき、気道が狭くなっていびきをかく原因になることがあります。

「エコチル調査福岡ユニットセンター」が約10万人の妊婦の情報を用いて算出したデータによると、妊娠中の体重増加の目安は、妊娠40週の時点で12~15kgとなっています(妊娠前の体格(BMI)18.5未満の女性の場合)。女性によっては妊娠で大きな体重増加が起こることが分かります。

また、女性は妊娠すると体重の増加と同時にホルモンバランスも変化するため、それらがいびきに影響を及ぼすとも考えられています。

②:顎が小さい、噛み合わせが悪い

やせ型の若い女性でもいびきをかく方は、顎の形や歯のかみ合わせに原因があるのかもしれません。

下顎が小さく後退している人は、通常の大きさの人に比べて気道が狭くなることが分かっています。気道が狭くなると肥満の人と同じようにいびきをかきやすくなるため、顎の形もいびきに影響があることが分かっています。

また、下顎が小さい人は歯のかみ合わせが悪い人が多いため、噛み合わせや歯並びの悪さを自覚している人も、いびきが多いことが分かっています。

②:生活習慣によるもの

いびきの原因として、生活習慣も挙げられます。いびきは肥満体型の方に多いので、乱れた食生活を送らないよう気を付けなくてはなりません。

また、就寝前のアルコールもいびきに影響を及ぼします。アルコールによって舌の筋肉が弛緩することで舌根が落ち、気道が狭くなることがあるからです。その他にもいびきは、疲労や風邪などの健康状態も影響するので、日々の疲れを自覚している人は十分な休養を取る必要があります。

生活習慣が原因でいびきをかく方は多いですが、多くの場合「単純性いびき症」と呼ばれるものです。単純性いびき症は、肺への気流の量と血液中の酸素レベルは正常に保たれているので、健康への影響は少ないとされています。

ただし、日中に眠気を感じるようになったり、いびきによって体の不調を感じるようになった場合は、早めに原因を取り除くようにしましょう。

③:睡眠時無呼吸症候群の可能性

「睡眠時無呼吸症候群」とは、睡眠時に何度も呼吸が止まってしまう病気です。「単純性いびき症」とは違い、気道が完全に塞がれてしまうことで、断続的に無呼吸状態が生まれます。

睡眠時無呼吸症候群は、10秒以上息が止まる状態を無呼吸といい、平均して1時間に5回以上、睡眠中に無呼吸が見られる場合はこの疾患と診断されます。
引用:兵庫県医科大学病院|睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群には、「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」「中枢性睡眠時無呼吸症候群」の2種類があります。気道が塞がれいびきを引き起こすのは「閉塞性」の方なので、ここでは「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」を睡眠時無呼吸症候群として解説します。

睡眠時無呼吸症候群は、単純性いびき症と同じように、肥満や小さい顎、飲酒などが原因で起こります。しかし、睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸状態が続くことで、健康に悪影響を及ぼす可能性が高まった状態です。

睡眠時無呼吸症候群による健康への悪影響

睡眠時無呼吸症候群による健康への悪影響は、以下のようなものがあります。

  • 日中に強い眠気を感じる
  • 起床時の頭痛
  • 集中力の低下

いびきは多くの場合、いびきをかいている本人に自覚はありません。しかし、重度の睡眠時無呼吸症候群の人は、呼吸が止まって目が覚めたり、日中に眠気を感じたりして、症状による違和感が出る人が多くなります。

日中の強い眠気や集中力の低下は、日常生活に支障をきたす場合もあります。漫然運転や居眠り運転の原因として、睡眠時無呼吸症候群は注目を集めており、国土交通省から注意喚起もされています。

睡眠時無呼吸症候群と合併症のリスク

睡眠時無呼吸症候群は、合併症を引き起こすリスクもあります。代表的なものでは、高血圧や糖尿病、心筋梗塞などが挙げられます。

「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」の患者の50%に高血圧が、高血圧患者の30%に「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」の症状があることが分かっており、二つの病気は合併率が高いことが分かります。
参考文献:日本心臓病学会

また、2型糖尿病と「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」も合併率が高く、二つの病気は肥満や加齢という危険因子も共通しているので、より注意が必要です。

さらに睡眠時無呼吸症候群は、心血管疾患のリスクを高めることも分かっています。睡眠中に無呼吸となって低酸素状態が続くので、低酸素状態を補うために心臓の働きが大きくなり、心臓に負担がかかるためです。

このように睡眠時無呼吸症候群は、睡眠の質の低下に留まらず、重大な合併症を引き起こすリスクがあるため、家族や友人から指摘されている場合は、早めに治療を検討する必要があるといえます。

④:耳鼻科系の疾患

いびきは耳鼻科系の疾患とも関係があるとされています。耳鼻科系の疾患とは、鼻中隔湾曲症、鼻炎、アデノイド肥大などです。

鼻中隔湾曲症とは、左右の鼻を隔てる仕切りの部位である鼻中隔(びちゅうかく)が大きく変形し、日常生活に支障が出ている状態です。

鼻中隔の変形は、体が成長するにつれて誰にでも見られるものですが、変形の度合が大きすぎると重度の鼻づまりを起こし、いびきの原因となります。同じ理由で、鼻炎による鼻づまりも、いびきの原因となることがあるようです。

アデノイド肥大は、小児に見られる疾患で、鼻から喉の奥に当たる上部にあるアデノイド(咽頭扁桃)という器官が、通常より肥大している状態です。アデノイドが肥大することで、気道がふさがりいびきの原因となることがあります。

女性がいびき治療を受けるメリット

いびきは男性がかくものという印象が強いため、病院でいびき治療を受けることに抵抗がある女性も多いかもしれません。しかし、女性がいびき治療を受けるメリットは以下のようなものがあります。

  • 友達やパートナーとの旅行を安心して楽しめる
  • 睡眠の質が向上し、健康や美容にも良い
  • 家族の睡眠を妨げない

友達やパートナーと旅行に行ったときに、いびきを指摘されると、やはり恥ずかしさを感じるものです。いびき治療を受けることで、安心して友達やパートナーと同じ部屋で寝ることができます。

また、いびきが重度であり、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、早急に治療を行った方がいい場合もあります。睡眠時無呼吸症候群は睡眠の質が低下するので、美容に悪影響を及ぼす可能性もあります。

いびきが軽度で、健康への問題を感じていない方も、いびきによって家族の睡眠に悪影響を与えている可能性もあります。また、今は平気でも、今後症状が悪化する可能性もあるので、いびきが軽度の方も、治療を検討する意味はあるでしょう。

軽度のいびきならマウスピース治療を検討

いびきのマウスピース治療は、手軽に行える治療として知られています。就寝時にマウスピースを付けて下顎の位置を固定することで、睡眠中に下顎と舌が前に引き出され、気道を広げる治療法です。

マウスピース治療の費用は、入院検査費用とマウスピースの制作費用がかかります。いびきの治療で使うマウスピースは、「上下顎一体型」と「上下顎分離型」の2種類があり、それぞれに特徴と費用が異なります。費用相場は以下の通りです。

種類 料金相場
上下顎一体型 約4~6万円
上下顎分離型 約20万円

「上下顎一体型」は、上顎と下顎が一体化した形状のマウスピースです。下顎のみに装着します。病院で睡眠時無呼吸症候群と診断されれば、上下顎一体型のマウスピースは保険が適用されるので、費用を抑えることができます。

「上下顎分離型」は、上顎と下顎の部品が分離し、両方に装着するタイプのマウスピースです。「上下顎一体型」と比べ細かな調整が可能であり、海外では多く用いられています。しかし、保険が適用されず構造も精巧なため、費用が多くかかるのが欠点です。

マウスピース治療は手軽に行え、「上下顎一体型」を使用した場合は、治療費が安く済むのがメリットです。しかし、いびきを改善する上で、マウスピース治療は十分な効果が得られないこともあり、根本的な解決に繋がらない場合もあります。

根本的にいびきを改善したいならレーザー治療がおすすめ

体重管理やマウスピースを用いた治療で効果が得られない場合は、いびきのレーザー治療も検討してはいかがでしょうか。レーザー治療はクリニックで施術を行う治療法で、いびきの根本的な改善により効果が期待できます。

レーザー治療がおすすめの理由

いびきのレーザー治療がおすすめの理由は以下の通りです。

  • 痛みが少ない
  • 長期的ないびきの改善に期待が持てる
  • 施術時間が短く入院も必要ない

クリニックでレーザー治療と聞くと少し身構えてしまうかもしれませんが、実際は施術時間が短く、局部麻酔のみで行われるため、施術したその日に帰宅することができます。

レーザー治療には、切るレーザー治療と切らないレーザー治療の2種類が存在し、切らないレーザー治療は、より痛みやダウンタイムが少なく、気軽に行える治療法として注目を集めています。

》切らないレーザーいびき治療の料金相場やおすすめクリニック

レーザー治療の種類と料金相場

切らないレーザー治療は、「ナイトレーズ」「パルスサーミア」という治療法で行われます。二つの治療法の基本的な原理は似ていますが、パルスサーミアは痛みやダウンタイムがより少ないのが特徴です。

切るレーザー治療は、「レーザー口蓋垂軟口蓋形成術(LAUP)」という治療法で行われます。二つの治療法の費用相場は以下の通りです。

切らないレーザー治療 切るレーザー治療
治療法 ナイトレーズ
パルスサーミア
レーザー口蓋垂軟口蓋形成術(LAUP)
保険適用 基本的に保険適用外 保険が適用される可能性あり
費用 初回:約2~3万円
3回:約30万円
6回:約55万円
約3万円

切らないレーザー治療は、口蓋垂(のどちんこ)とその周辺の粘膜にレーザーを照射し、軟部組織を収縮させて引き締める治療法です。これにより気道を拡大させ、いびきの改善を目指します。

切らないレーザー治療は1回では効果が実感しにくく、複数回の治療が必要になります。

効果が出るまでに必要な治療の回数は個人差がありますが、回数が増えるほど費用も大きくなります。多くのクリニックでは初回は費用を安く設定しており、患者は少ない費用で治療の感覚を確かめることができます。

切るレーザー治療は、口蓋垂(のどちんこ)とその周りの軟口蓋をレーザーで切除する治療法です。切らないレーザー治療と同じように、気道の拡大を目的としています。

切るレーザー治療は、一回の施術で終了することが多く、保険が適用されるため費用が安く済むのが特徴です。しかし、切らないレーザー治療と比較すると施術のリスクや痛み、ダウンタイムの面で患者の負担が大きくなります。

切らないレーザー治療の詳細とおすすめのクリニックについては、以下のページでまとめてあります。レーザー治療を検討している方はぜひ参考にしてください。

切らないレーザーいびき治療の料金相場やおすすめクリニック6選
いびきに悩んでおられる方向けに、レーザーいびき治療の料金相場やおすすめのクリニックをご紹介しています。いびき治療の効果やリスクについても分かりやすくまとめました。
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